水虫とは
水虫とは白癬菌というカビの一種が皮膚に感染して起こる病気です。白癬菌の感染は足指の間や、足の裏、足の爪(爪白癬)、陰部(陰部白癬)などに多いです。特に爪を含む手足に白癬菌が感染した状態を水虫と呼びます。大変よくある病気です。また頭皮に感染した場合はシラクモ、その他の部位はタムシなどといいます。足以外の白癬の多くは、足の水虫から広がっていった場合が多いです。猫や犬などのペットから感染して、シラクモやタムシになる人も増えています。
水虫は視診だけでは診断が難しいことも多く、必ず皮膚や爪の一部を取って、白癬菌がいるかどうか検査します。
原因
水虫は、白癬菌というカビが原因で起こります。白癬菌は、高温多湿な環境を好み、皮膚のケラチンと呼ばれるたんぱく質を栄養にしています。感染しやすい原因はいくつかあげられます。
- プールや共同浴場を利用することが多い
- 家族の中に水虫の人がいる
- 老人ホームなどの施設で集団生活をしている
- 足の指の間隔が狭い
- 革靴・長靴を長時間はいている
- 汗をかきやすく湿りやすい
治療
水虫の治療は塗り薬が中心となります。直接塗ることにより、白癬菌を殺菌したり、白癬菌の成長を抑えることができます。市販の水虫の塗り薬はときどきかぶれることがありますので、赤くなったり痛みがでてくるようであれば、早めに皮膚科を受診してください。
- 外用薬
かゆい所やブツブツになっている所だけに塗るだけでは十分ではありません。
一見症状がない場所であっても、水虫菌が潜んでいる可能性はあります。
患部より広めに塗る事、足の裏側と側面、指の間など水虫の症状が出やすい場所には、
塗り残しがないように丁寧に薬を塗ります。
症状がよくなってからも1,2カ月長めに塗る事が再発予防に有効とされています。
また、塗り薬を使うことで、赤み、かゆみがでてかぶれるかたが時々いますので、薬をやめて早目に受診してください。 - 内服薬
爪水虫や角化型水虫などは、塗り薬で治りずらいことが多いため、
経過により内服薬を検討していきます。
内服期間は3~6ケ月ですが、有効成分が内服終了後も、しばらく爪の中に残っていることが多く、
その後の改善していく可能性があるため、しばらく内服せずに経過をみます。
治癒しない場合には再度内服していただくことや薬剤の変更が必要になることもあります。
副作用は腹部不快感などの消化器症状、検査値の異常などがあります。
副作用のチェックのために血液検査をさせて頂いております。
注意点
- 足の指と指の間まできれいに洗い、清潔な状態を保ちましょう。
- 家族にうつさないように、お風呂のバスマットやスリッパは個人専用のものを使用し、部屋の掃除機がけをこまめに行いましょう。
- 足がかゆくて皮むけがあるため、自分で水虫と判断している方の中には、別の病気のこともあります。水虫と似た症状で間違いやすいのは、かぶれ、湿疹などがあり、水虫の塗り薬で治りが悪い場合は、検査をして水虫がいるかどうか確認する必要があります。自分で足水虫だと思っている方の3人に1人は別の病気だったとの報告もあります。
よくある質問
- 水虫は治らない病気ですか?
- 確かに完治するまで時間がかかる病気ではありますが、検査で水虫菌を確認し、適切な治療を根気よく続ければ治ります。ただ、一度完治したとしても、再発しやすいので注意が必要です。
- 水虫で痒みは出ますか?
- 水虫の多くは痒くありません。むしろ痛くもかゆくもないケースの方が多いとされています。
- 薬局の市販薬で治りますか?
- 治らないとはいいませんが、抗真菌薬は長く使用する必要があるので、市販の薬剤で治ったと思ってやめてしまうと完治しません。また、クリニックでは本当に水虫菌がいるか検査できますので、水虫かな?と思ったら市販薬の使用を中止して検査を受けてください。