乾燥肌とは
乾燥肌は皮脂欠乏症とも言われ、皮膚の表面の脂が減少することにより皮膚の水分が減少して、乾燥を生じてしまう病気です。中高年者の手足、特に膝から下によくみられ、皮膚がカサカサしてはがれ落ちたり、ひび割れたりします。また、かゆみを伴い、掻くと悪化して湿疹になったりします。空気が乾燥しはじめる秋から冬にかけて症状が出はじめ、真冬になるとひどくなりますが、夏には自然に軽快したり、治ったりしてしまうこともあります。
原因
一般に、皮膚のうるおい(水分量)は皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質という3つの物質によって一定に保たれています。ところが加齢などが原因でこれらの物質が減ってしまうと、皮膚がひどく乾燥し、皮脂欠乏症になってしまいます。また、外気や室内の乾燥、体を洗いすぎるといった生活習慣なども原因の1つと考えられています。放っておくとますます症状が悪化しますので、早い時期から治療することが大切です。
治療
治療の基本は保湿剤を塗ることです。夏はさっぱりとして使用感が良いローション、冬は皮膚を保護する効果が高い軟膏やクリームがいいです。また症状が悪化して湿疹がある場合は、ステロイドの塗り薬で、痒みが強い場合は、抗アレルギー剤の飲み薬なども必要になります。
注意点
- お薬を正しく使いましょう
皮膚にうるおいを与えるぬり薬、また、かゆみや湿疹を抑えるぬり薬や飲み薬などがあります。 - ゴシゴシ洗わない
皮脂をとりすぎないことが大切です。
お風呂に長く入りすぎたり、ナイロンタオルなどを使ってゴシゴシ洗いすぎないようにしましょう。 - 皮膚のうるおいを保ちましょう
皮膚のうるおいを与えるぬり薬を朝晩2回ぬりましょう。特にお風呂上りが効果的です。 - お部屋の乾燥に注意
空気が乾燥すると、皮膚の乾燥やかゆみもひどくなります。加湿器などを使ってお部屋の湿度を保ちましょう。 - 刺激の少ない肌着に
皮膚を刺激すると、かゆみもひどくなります。肌着類などは、なるべく肌にやさしい木綿のものにしましょう。 - 掻かないことが大切
掻くと症状がひどくなるので、できるだけ掻かないように努めましょう。また、爪は短く切りましょう。 - アルコールは控えめに
アルコールや香辛料などの刺激物をとりすぎると、体が温まり、かゆみがひどくなります。控えめにしましょう。