ほくろとは
医学的には色素性母斑ないし母斑細胞母斑と呼ばれ、良性の母斑細胞(ほくろ細胞)の集まりです。メラニンを有するため、褐色~茶色~黒色を呈します。生まれつきあるものと成長途中で現れてくるものがあり、また、平坦な色素斑や皮膚表面から隆起したものなど、いろいろあります。大きさは通常直径5mm以下の場合がほとんどで、それ以上の大きさで徐々に大きくなってくるものは、メラノーマの可能性も考えられ、ダーモスコピーによる診察が必要です。
原因
ほくろはには、思春期ころまでに現れる遺伝性の先天性ほくろ、思春期以降にできる後天性ほくろがあります。後天性のほくろは、原因がはっきりと解明されていない部分もありますが、紫外線や日頃のストレスや疲労、生活習慣の乱れなどによってできることがあります。また、紫外線以外にも「外部刺激」によりほくろができることがあります。皮膚が擦れたり、こすれたり圧迫されたりすることで細胞が傷ついてしまうためです。
治療
治療の前に、ダーモスコピーを用いた正確な診断をつけることが大切です。ほくろだと思って受診したが、実際違う病気であったり、稀に悪性のこともあります。
ほくろの治療法には、炭酸ガスレーザー、手術がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
- 炭酸ガスレーザー
顔、頭部のほくろや体の小さいほくろ除去に適しています。
手術に比べると、出血が少なく、傷跡が小さく、早く目立たなくなります。
当院では、開院以来たくさんの方に行ってきた治療であり、
仕上がりが少しでもきれいになるように、こだわりを持って行っています。
稀ではありますが、濃い、深いほくろは、1回では取れないこともあります。 - 手術(メスによる切除)
体にできた先天性のほくろや大型のほくろは、レーザーよりも手術の方が
傷がきれいに仕上がることもあります。皮膚科専門医が診察し、
必要であれば近隣の総合病院をご紹介しますのでご安心ください。
注意点
- ほくろは、他の良性のできものや、悪性黒色腫、基底細胞癌などと見分けが難しい事もありますので、皮膚科専門医の診察を受けましょう。
よくある質問
- ほくろとガンを肉眼で見分ける方法はありますか?
- 肉眼でじっと見てもほとんど判別はつきません。皮膚科では、発生した時期、色、形、大きさなどを見てほくろと診断します。また当院は皮膚科専門クリニックなので、ダーモスコピーというほくろ診断器具を使用して診断します。
- ほくろ除去のレーザー跡は目立ちますか?
- 個人差があり、またほくろの大きさにもよりますが、施術後の跡を気にされる方はほとんどいませんのでご心配ないかと思われます。稀にケロイド体質の人や部位によって傷がやや盛り上がることもあります。
- 炭酸ガスレーザーは痛いですか?
- レーザー施行前に注射の麻酔をしますので、レーザー中は痛みは感じません。また治療後も痛みはほとんどありません。当院は極細針を使用し、事前に貼る麻酔テープを使用することで、注射の痛みを和らげる取り組みをしています。
- どんなほくろも除去が可能でしょうか?
- 部位や大きさによっては炭酸ガスレーザーの治療が難しく、切開・縫合が必要な場合は近隣の総合病院や大学病院をご紹介しています。