白斑とは?
尋常性白斑は3つのタイプに分類されています。
- 限局型:狭い範囲にひとつ、あるいは数個の白斑があるもの。
- 汎発型:顔や全身のいたる部位に左右対称に発生したり、白斑同士がくっつく場合もあります。
頻発部位は、刺激の加わりやすい顔、首、腹、腰、わきや股うで・あし、手指などです。 - 分節型:左右いずれかの神経にそって白斑ができるもの。原因皮膚の色は、真皮(表皮の下の組織)にある
メラノサイトという細胞が作るメラニン色素の量で決まります。
尋常性白斑は、このメラニン色素を作るメラノサイト数の減少や破壊により、白く皮膚の色が抜けてしまう病気です。
病原菌などを攻撃して体を守る免疫システムが、メラノサイトを攻撃して破壊するという説や、神経の支配する領域に沿って白斑が出来たり、白斑部分に異常に汗をかくことから、神経系との関連も考えられています。
その他、活性酸素ストレスなどが原因として挙げられていますが、複数の因子が重なっていると考えられています。甲状腺疾患、貧血、自己免疫疾患などが合併することもあるので、必要に応じて血液検査を行います。
治療方法
治療としては
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- 薬物療法(ステロイド外用、活性型ビタミンD3外用、タクロリムス外用)
- 光線療法(ナローバンドUVB、エキシマライト)
- 皮膚移植(1ミリミニグラフト、サクションブリスタ-)
以上3つが基本的な治療法となりますが、
年齢、性別、病変部位・範囲、罹病機期間、治療歴、光が当たった部分の病変の有無や職業など患者さん一人ひとりの症例の状況に合わせて治療方法を変える必要があります。
また合併症がある場合にはその治療も行う必要があります。
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- 薬物治療の中でステロイド外用はまず試してみるべき治療ですが、
漫然と使用していると毛細血管拡張、皮膚萎縮、にきびなどの副作用が起きるため、
数カ月使用しても効果の見られない時は中止します。
活性型ビタミンD3外用単独では効果が弱く、白斑治療ガイドライン上、光線療法と併用すること
を考慮してもいいとなっています。
タクロリムス軟膏は治療効果が高い可能性がありますが、長期に使用した際の安全性は確立されておらず、
3~4か月をめどに効果判定を行うことを推奨されています。 - 光線療法(ナローバンドUVB、エキシマライト)
現在光線療法が白斑治療の第一選択とされ、ステロイド外用、ビタミンD3軟膏外用も併用されることもあります。
当院ではエキシマライトを採用しています。308nmエキシマライトは別名ターゲット型ナローバンドUVBとも言われ、
尋常性乾癬や尋常性白斑などのUVB療法が適応とされている皮膚疾患に有用であり、
さらに、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、円形脱毛症など
種々の難治性疾患に安全かつ有効な治療法であることが近年報告されています。 - 皮膚移植(1ミリミニグラフト、サクションブリスター)
1と2の治療を行っても、効果が無い場合皮膚移植を考慮します。
皮膚移植は当院では行っていないので、専門病院に紹介いたします。
- 薬物治療の中でステロイド外用はまず試してみるべき治療ですが、